〝やりたい〟を力に!~地域と企業を変えるヤングパワー~

〝やりたい〟を力に!~地域と企業を変えるヤングパワー~

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■監修者・中島洋の深読み
中島洋 中島洋=MM総研代表取締役所長

1947年生まれ。東京大学大学院(倫理学)修士修了。73年日本経済新聞社入社。産業部で24年にわたり、ハイテク分野、総合商社、企業経営問題などを担当。1988年から編集委員。この間、日経マグロウヒル社に出向し、日経コンピュータ、日経パソコンの創刊に参加。97年-02年慶応義塾大学教授(大学院政策・メディア研究科特別研究担当)。02年-04年、国際大学(グローコム)教授を務める。現在、 MM総研所長、国際大学(グローコム)主幹研究員などを兼務。

「若者」の力に期待

 「草食系」などと、頼りなさを強調される男性の「若者像」が浸透しているので、将来に不安が残るが、こうしたイメージと言うのは象徴的な一部を針小棒大に語られるきらいは否めない。目を凝らして良く見えると、スポーツ界、芸能界、文学界、ちゃんと骨太な若者がたくましく活躍している。若手女性の場合はさらに強烈な個性で社会のあちらこちらで存在が輝いている。

 特に心強いのは若者が引っ張る若手企業がぐんぐん成長してきていることだ。株式公開した企業ばかりが話題になるが、さらに予備軍はすそ野が広い。筆者は 1997年から2002年まで慶応義塾大湘南藤沢キャンパスの教授を務めたが、若い企業の経営者を出身の若者が調べてみると、その卒業生の活躍も特に目立つ。

 昨年、株式公開した「クックパッド」の佐野陽光社長もその一人で、料理のレシピーの検索・投稿サイトの運営だが、ケータイで手軽に利用できる事が特徴だ。だれもが、後から、そういうものだったら、自分も気がついていた、と思うが、それを実現したところがえらい。クックパッドは決して珍しい例ではなく、SFCにはインターネットをいち早く活用したキャンパスとして有名だが、教授として学生に接触していて、新しい技術に素早く取り組む姿勢には舌を巻いた。想像もしてこなかった、まったく新しい発想で奇妙なサービスを提案してきて、しばらく見ていると、当初の形が肉付けされてどんどん姿を変えて行き、実用レベルに達するものも出てくる。上場まで達してはいないが、すでに上場してもおかしくないところまで来た企業もある。

 数年で芽を出すものもあれば、10年かかるものもあるが、こうして20代後半から30代前半の上場企業社長が多数、輩出することになる。予備軍も含めて、経済のけん引役としての若者の可能性をもう少し評価しても良いかもしれない。

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