Yes,andで、すべてはうまくいく!

Yes,andで、すべてはうまくいく!

■ 樋栄ひかる著
■ 幻冬舎 1300円+消費税
■ 発行2006年9月25日

 発行は少し古いのだが、情報社会の進展に伴って、逆に人と人の直接のコミュニケーション力の退化が際立ってきている。そのコミュニケーション力の不足に悩んでいる向きには面白いアドバイスに満ちた本なので紹介したい。具体的な場面を想定しながら小話形式で記述が進むので楽しく読み進められる。特に、社会経験が少ないビジネスピープルにとっては、日常の生活に多くのヒントがあるはずである。

 「Yes,snd」では、まず、他人の言葉やアイデア、気持ち、その人の存在自体のすべてを「Yes」で受け入れるところから始まる。それに加えて重要なのは、「and」と、自分の思いや考えを融合させるということだ、と著者は言う。「Yes」も、適当に受け流していうのではなく、相手の考えや意図をきちんと汲み取りながら言わなければならない。そうしないと、次の「and」につながらないのである。従って、コミュニケーションの第一歩は「Yes,and」を念頭に置きながら、相手を理解し、伝えようとしているメッセージを、全神経を集中して受け止めるように心がけることである。

 具体的なアドバイスとして著者は、「どんな状況におかれても、どんな問題を押しつけられても」、まず「それはちょうどいい!」と返答することを勧める。そう口に出してみる、頭に思い浮かべることで、だれでもポジティブシンキングできるようになる「魔法の言葉」だという。著者自身、何が起こっても「それはちょうどいい!」「今がちょうどいい時期なんだ」と受け止めることで事をうまく進められてきたのだそうだ。

 本メルマガの筆者は、東京・三軒茶屋の琉球料理屋(居酒屋?)の経営にタッチしているが、月に1回ほどのペースで、かつて務めていた慶應大学SFCの卒業生や関係者たちと情報交換会をしている。著者の樋栄さんは、元IB
Mのマーケティング部門で人材育成、研修などで活躍した経験のあるビジネスピープルだが、独立して「イーナ・コミュニケーション」をハワイで設立、ビジネスコミュニケーションやコーチングなどの研修を精力的にこなす傍ら、慶應大学SFCでも非常勤でコミュニケーションを講師として教えている。そんな縁があって、先日、沖縄料理も好きだという樋栄さんが会食に参加し、話をうかがった。

 情報社会、とりわけ、管理が厳しくなって緊張が高まっている職場を明るい環境に変えるアイデアの一つだと感心した次第である。

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