IT・デジタル革命は終わったのか?

IT・デジタル革命は終わったのか?

編集長が推す「このセミナー」
IT・デジタル革命は終わったのか?
2008年4月2日
主催 : CIAJ(情報通信ネットワーク産業協会)
場所 : 東京・港区CIAJ本部
講演 MM総研所長 中島洋
 CIAJの「ユビキタスフォーラム」で新しい情報通信のトレンドを探るための勉強会が開催された。その第一回を依頼されて、シーズとしてのデジタル技術の進展、ニーズとしての消費者や社会からの要求の高度化、産業・社会の構造変化の3つの側面から持論を述べた。
 シーズのデジタル技術の継続的革新の面では、能力の急速な向上が見られる半導体、光技術、IP、電波高度活用に注目し、さらに無線、ブロードバンド、ユビキタス、メディア統合などのキーワードの動向を概説した。とりわけRFIDが、個別移動管理、トレイサビリティの道具としてさらに重要になることを指
摘、Web2.0が情報共有化や新知識体系の出現を象徴し、また消費者主権へのパワーシフトを引き起こしていることを詳細に説明した。
 またニーズの面では、消費者・社会からの安全・安心を保証する仕組が強く要求されていること、とりわけ、食・薬品、衣服、建材、建築物、子供の安全について強いニーズがあることを強調した。さらにここ数ヶ月、地球環境の保全サポートの要求が拡大するが、ここにITによる監視、ITによる集計と公表が
威力を発揮するので、情報通信産業側では準備を始めるべきであることが指摘された。当然、少子・高齢化や国際分業で滅びる産業、出現する産業・企業があるとして、オフショア、BPOの動きを解説した。
 産業・社会の構造変化では、かつて企業内部の仕組み革新としてBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)が注目されたが、ネットワークの浸透した現在では、企業間・企業と消費者間の仕組みの革新としてSPR(ソーシャル・プロセス・リエンジニアリング)が進展するとして、ソリューションとしての社会革新を目指すべきだと強調した。

これまでの掲載

中島情報文化研究所 > 執筆記録 > BPIAメールマガジン > IT・デジタル革命は終わったのか?