日本版SOX法を超えて~さらに続く内部統制は経営をどう変えるか~

日本版SOX法を超えて~さらに続く内部統制は経営をどう変えるか~

編集長が推す「このセミナー」

●2007年9月27日 ウチダソリューションフェア(東京・港区明治記念館)
中島洋 MM総研代表取締役所長


 300人近くを収容する会場がほぼ満席だった。来年春からの日本版SOX法(金融商品取引法)の適用を前に、担当者たちの関心が盛り上がっていることの反映だろう。聴講の姿勢も極めて熱心だった。こういうセミナーの場合、当事者が忙しくて代理の方が来る際、途中で居眠りをする姿が壇上からはよく見えるのだが、この日はそういう光景はほとんどなく、ポイントで熱心にメモを取る姿のほうが印象的だった。

 中身は、日本版SOX法のために残る半年をどのようにするか、簡単にチェックポイントをおさらいした後、内部統制は日本版SOX法対応で終わるわけではさらさらない、という本題に入った。日本版SOX法が提示した問題は、企業が厳しい社会的監視の中で活動することを歴史的にたどって、その流れの中の到達点が現在の日本版SOX法であること、そして、その流れの先には新しい社会的責任が待ち構えていること、企業の監査役や情報システム担当者はその新しい社会的責任を果たすための仕組みづくりに備え始めなければならない、と指摘した。

 社会的監視の中で企業が活動している歴史というのは、事業所周辺住民に対する環境破壊の加害(有毒排ガス、有毒廃液、騒音など)に対する規制、食品や医薬品・欠陥製品による消費者への加害に対する規制、従業員に対する加害(労働者の権利侵害、長時間労働、セクハラ、パワハラなど)に対する規制、法規に対する侵害(談合、不公正取引、下請法違反、著作権違反のソフトウェア違法コピー、輸出法違反など)に対する規制、そして個人情報などの管理義務不履行に対する規制などが次々とかかって、企業活動は社会的監視の下に置かれてきた、そして、現在は株主に対する不当な権利侵害に対する規制が行われて、それが日本版SOX法である。

 さらに問題は、この次に来るであろう社会的責任の対象領域である。講師は、取引先への継続的商品供給、サービス提供の保証、を挙げた。BCP(事業継続計画)の構築で、その重要な構成要素が企業活動を持続させるための情報システム体系の作り直しである。DR(災害時普及対応)サイトの構築も同時に重要課
題である。

 また、地球環境を回復するための活動をどのように行っているか、今後、どのように強化する計画か、その対策の立案とその情報を開示する仕組みの構築も社会から強く要求されるところとなろう。

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