高度コールセンターからBPOセンターへ-IT津梁パークの大構想で飛躍する沖縄-

高度コールセンターからBPOセンターへ-IT津梁パークの大構想で飛躍する沖縄-

日 時 :2007年7月24日
主 催 :IT協会
場 所 :沖縄県那覇市・ホテルロイヤルオリオン
特別講演:MM総研代表取締役所長 中島洋


 コールセンターは沖縄に100ヶ所以上、雇用総数は1万人を超える。沖縄はコールセンターのメッカである。昨年、トランスコスモスが最大3000人のコミュニケーター(オペレーター)収容のビルを建築、それに続いてCSKも大センターを構築中だ。そのほかIBM、オリックス、ベルシステム24、サイバード、インデックス、ニイウスなど、名立たる企業が進出している。このメッカを訪問する視察団をIT協会が企画、今回で3回目である。訪問の前日に、沖縄の情報産業を取り巻く現在の情勢を理解するためのセミナーが催されて、その特別講演を、沖縄県「IT津梁(しんりょう)パーク構想検討委員会」座長の中島洋が行い、コールセンターがBPOセンターに進展してゆくプロセスと、現在、沖縄で検討が進められている「IT津梁パーク」についてブリーフィングした。


 「津梁」というのは大海にかかる大きな架け橋のこと。沖縄がアジアの各地を結ぶ交易の拠点だったことからその機能を「津梁」と称していた。「IT津梁パーク」は情報分野で沖縄がアジアの架け橋になろうと、かねて沖縄県が検討していたもので、情報企業を集積した産業団地を構築しようという計画だ。


 昨年末、仲井眞弘多知事が立候補した際に、情報産業で8000人の雇用増を公約したが、その拠点にするものである。その中心になると考えているのがコールセンターやBPOセンター。さらにデータセンター機能、沖縄オフショア開発のセンター、さまざまなコンテンツ作成の拠点センターなどである。


 今年9月中には現在、上っている候補地の中から一ヶ所に絞り込んで、来年度から建設に取り掛かろうというものである。沖縄は今後、需要が爆発することが予測されるDR(デザスターリカバリー)サイトとしても有力な候補である。データセンターは現在、沖縄電力の主力発電所の敷地内に大型のセンターが1棟ある。しかし、このところ、国内企業からの需要が高まって収容しきれない時期が近づいている。このため、2号棟の新設も検討中である。ハードウェアの収容場所とオペレーションを分離して、その機能を津梁パークに置くことも有力な案である。


 沖縄は情報産業の集積を目指している。特にコールセンターは単純に賃金の安さではなく、スキルの向上や施設の機能なども他の地域との競争力があるものへと進化させてゆく考えである。

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